明日、心が晴れますように

明日、心が晴れますように

心理や恋愛に関する事を書いていきます、お役に立てたら嬉しいです。

あなたと私の12年

まとめ:第四章【不協和音】

登場人物 恋愛心理解説まとめ ◆音楽にもかなり詳しいから私と凄く気が合った。 ◆もう、clanの前を通らない様にしよう。 ◆このままいけば私はちゃんと成ちゃんを忘れて、新しい恋愛に向き合える、と思っていた。 ◆本人が誘って来たら速攻受け入れ態勢か! ◆で…

不協和音:10

貴くんと付き合い始めてしまった。付き合い始めて、1週間が経った。 私は、貴くんの誘いや正子の電話、由美からのメールに、ただ流されて過ごしていた。誘われたら行くし、電話が来れば出るし、メールでは聞かれた事には返信する。 これが正解だったのかは分…

不協和音:9

「ありがとう!また来てね~!」 ママにそう言われて、私は「由利」を出た。もちろん成ちゃんも一緒だ。成ちゃんは当たり前の様に私の自転車を持ち上げ、車に運び込んでくれる。 「来る時間が遅いとさ、チャリでも危ないんじゃない?」車に乗り込むと同時に…

不協和音:8

数日後、貴くんは本当に彼女と別れたらしく、その噂が瞬く間に私の耳に流れ込んできた。 由美……。 由美のせいにしてはいけないが、いや、由美のせいか。これで断るなんて、本当に極悪人でしょうよ、私…。 “貴くん、彼女と別れてしまった”事件 が起きてから、…

不協和音:7

「どうしようか…。」 私のケータイのメール画面を広げてファミレスのテーブルの上に置き、それを覗きながら正子が眉間にシワを寄せている。珍しく由美が静かだ。貴くんからメールが来てすぐ、私は正子と由美にSOSメールを送信した。そして翌日の昼に緊急集合…

不協和音:6

その後、私は「由利」に通う様になった。 家から遠いけど、自転車を使って遠くまで走り、ママや成ちゃんが楽しそうに営業しているところに乗り込んだ。 「いらっしゃい、麻衣ちゃーん。」と、いつもママは歓迎してくれる。 常連さんとも本当に仲良くなった。…

不協和音:5

成ちゃんに連れて行ってもらったその小料理屋は、住宅街の中にある小さいけど雰囲気のある店で、外向きについている窓から明かりが漏れていて、中から笑い声が聞こえる、家族団らんの様な空気をまとった店だった。 中に入ると、座敷とカウンターに別れていて…

不協和音:4

「ひ、久しぶり!」やば、ちょっとどもった。 「おう。」 前と何も変わらない。いつもの成ちゃん。 車の助手席に乗ると、①覚えのある成ちゃんのたばこのニオイ。 さっきまで貴くんと一緒にいた事を、一瞬で忘れてしまう。 やっぱり私はこの人が好きだ。 「ラ…

不協和音:3

心臓がバクバクして、今にも口から飛び出しそうだった。お酒を飲んで少し酔っていた事と、手に持ったグラスが冷たかった事と、カラオケボックスの大きな音で頭がグラグラして、自分が今ここにいるのが現実なのか夢なのかも分からなくなってきた。 カラオケボ…

不協和音:2

clanの前を通らない様にして、なるべく成ちゃんの事を考えない様にして、そして私は貴くんとばっかり遊ぶ様になって、正子も由美も貴くんと私は今にも付き合うものだと思っていたと思う。 なるべく成ちゃんを思い出さない様に、と思っていたから米倉さん達か…

不協和音:1

clanを辞めた私は、新しいバイトを見つけて楽しく働き始めていた。clanとは違うけれど、一緒に働いている人たちとも早速仲良くなって休みの日に遊ぶような仲になった。 駅前の人通りが多い道を一本入ったところにある、オシャレで穴場のカフェ。穴場だから、…

まとめ:第三章【痛み】

登場人物 恋愛心理解説まとめ ◆少し、説得してみる。 ◆自分でもぐるぐる同じ事を伝えているのが分かっていた ◆人生初のピアスを開けた ◆あんなに優しくて、面白くて、かわいくて、頼れる人、今後私の人生に現れるんだろうか? ◆人って告白された事によって相…

痛み:10

clanでバイトを始めて1年。 オーナーにもたくさんの事を教えてもらい、かわいがってもらって、米倉さんや大森さん、林さん達の様な一生モノの友達も出来た。山田さんにも気にかけてもらっていて、たまに新しい情報をもらったり、木田さんだってなんだかんだ…

痛み:9

成ちゃんが何故かキャバクラに行かなくなってから暫くして、成ちゃんがclanではない方のバイトを辞めた事を知った。どうやらそのバイトを辞めた事もキャバクラに行かなくなった理由だと思う。 だけど成ちゃんは、林さん達に「なんでキャバクラ行かなくなった…

痛み:8

それからの私は、何とかして成ちゃんを諦めようと必死だった。 出来るだけ考えない様にと友達と遊ぶ時間を増やし、出来るだけ成ちゃんに自分からは話し掛けない様にした。 それでも相変わらず成ちゃんは私に対する接し方が変わらなくて、やっぱり時々ドライ…

痛み:7

着信拒否をされてしまった私は、目の前が真っ暗になり、気が付くと家とは違う方向に歩いていた。 ドライブに行く時、たまに成ちゃんは私に貸すものや返すものを取りに自分の家に寄っていた。なので、私は成ちゃんの家を知っていたから、目の前が真っ暗なまま…

痛み:6

しょうがないのは分かっているけど、自分には何か言う権利も止める立場でもない事は分かってるけど、辛くて辛くて、本当に食事も出来ない日々だった。 その、成ちゃんが時々私の様にドライブに連れて行っている人が、毎回同じ人なのか別の人なのかも分からな…

痛み:5

結局成ちゃんから折り返しの電話もメールも来ないまま、その後2日経った。 clanで会った成ちゃんは、電話を折り返していない事も覚えていない様に普通に私に話し掛けてきて、何事もなかったかの様に過ごしているけど、私は成ちゃんがキャバクラの女の子とプ…

痛み:4

いつもの様に、clanでのバイト終わりの控室で、みんなで雑談している時だった。 私と米倉さんと林さんが3人で最近大流行しているドラマの話しで盛り上がっていて、奥で大森さんと成ちゃんが2人で話していた。 「えっ?マジっすか??」ちょっと大きな声で大…

痛み:3

成ちゃんに告白してから、3ヶ月が経った。 私が告白した事なんて、まるで全て無かったかのように元通りの日常が続いている。本当に文字通り“元通り”なので、なんと、成ちゃんとの夜中のドライブデートも前と同じように続いていた。 この人本当に、どういうつ…

痛み:2

今日、午後から2日ぶりにclanのバイトだ…。 しかも、成ちゃんとしっかり同じ時間帯。入りの時間も同じで、ラスト閉店まで。 まさか理由を伝えてシフトを変えてもらうわけには絶対いかないし、しかもシフト作ってるの木田さんだし、無理無理むりむりムリムリ…

痛み:1

翌日、私は初めてclanのバイトを休んだ。体調不良だと伝え、電話に出てくれた林さんに謝罪し、電話を切った後は部屋の中でずっと泣いていた。 良いのか悪いのか、今日成ちゃんは休みの日なので私が休んだことを誰かに聞かない限り気が付かない。 あの後、私…

まとめ:第二章【告白】

登場人物 恋愛心理解説まとめ ◆木田さん、成ちゃんとは普通に話してるんだよね…。 ◆女性と付き合った事が無い理由が、ずっと同じ人に片想いしてるから ◆それに対して何か答えるでも補足するでもなく、ただわざとらしく笑っただけだった。 ◆玄関に入る私を確…

告白:10

「それが、つまりガンダムを語る上で一番大事なわけよ。」成ちゃんが熱弁している。 「うん。あーーー、そういう事ね。うんうん。」眉間にシワを寄せながら窓の外を眺めつつ、熱弁している成ちゃんに相槌を打っている私。 目の前、窓の外には道路をトラック…

告白:9

「こくは…………!」途中まで言いかけて米倉さんが口を自分で閉じる。 ちょうど近くに座って仕事をしていた木田さんはこっちを睨む。(もはやすがすがしい) 「うそでしょー?君嶋さんに、告白したの???」米倉さんがものすごーーーく小さい声で私に聞いてく…

告白:8

ラーメン屋さんでラーメンを食べている間、私はずっとこの関係に疑問を抱いて自問自答していた。 このまま成ちゃんとずっと楽しく過ごして行けるのは良いけど、ここで関係を明確にしておきたい。成ちゃんもそう思ってくれているかな? でも、今日も誘ってく…

告白:7

「いや、やっばかった!!!!!」興奮気味の私 「ちょっと豪華過ぎたな!」同じく興奮気味の成ちゃん 私達は今、横浜ライブの帰りの車の中。まだまだ冷めやらぬライブのテンションを抑えられずに2人で興奮しながらセットリストや参加アーティストについて振…

告白:6

「それ、デートじゃん!!!!!」由美がテーブルから乗り出して叫ぶ。 「ちょっと由美、みんな見てるから座ってよ。」由美って毎回テンション高くてリアクション良すぎる。 今日は由美と2人で買い物に来ていて、今前から来たいと思っていたイタリアンのラン…

告白:5

『花をあげていたその人』の話しはそれ以降全く出てくる事はなく、成ちゃんと会っていても『その人』と連絡を取っている様には思えない日々が続いていた。 いよいよ木田さんは私に対して他のみんなからも分かる程あからさまにそっけない態度を取るようになり…

告白:4

「いやほんっっっと、なにあのバカ女に引っかかってるんだよって感じよ。」凄い剣幕で木田さんが話す。 「やーねー、香織ちゃん。熱くなっちゃって。」山田さんが笑いながら返す。 「熱くもなりますよ。何年も。」鼻息が荒い木田さん。 「でもさ、それでも成…