出逢い:6
ラーメン屋さんでは到着した順に席に着いたため、車に乗っていた編成そのままでテーブルにつく事になった。
オーナーと大森さん、林さんはずっと車の話しをしているみたいだ。
私は、車に乗っていた時の様にまた2人対2人に別れて話しをすることになるのかと思って、少し嫌な気分になった。
だけど、今度は違った。
米倉さんが木田さんと君嶋さんに凄い勢いで話しかけてくれたおかげで、きちんと4人で会話をする事が出来たのだ。米倉さん、大好き。
すると、私が米倉さんに勧めたマンガを2人も大好きだという事が分かり、一気に会話に花が咲いた。
「やっぱりあのマンガはここ数年の中で一番のヒットだね。」
木田さんが深く頷きながら話す。
「あれはねー、男から言わせてもらうと、男のロマンが詰まっているわけよ。」
君嶋さんが答える。
「なんですか、ロマンって。」
米倉さんがツッコミを入れる。
「男のロマンって分かりにくいもの多いですよね。」
私がそれに乗っかる。
4人の中で一番年上の米倉さんと、一番年下の私に同時にツッコミを入れられてる君嶋さんを見て大笑いする木田さん。
「けっこう言うなぁ、君ら。だけどclanでは断然俺の方が先輩だからな!」
冗談で君嶋さんが返す。
「それ言うんだったら私が一番先輩だけど?」
木田さんも応戦。
「いや、あなたは先輩だし年齢も上ですし…。」
君嶋さんが早々に白旗を上げる。
凄く良い雰囲気で、本当に楽しかった。
①はじめてしっかり君嶋さんと話したけど、思った以上に面白いし、凄く趣味も合う。どうしよう、これはちょっと本当にヤバいかも…。
しかもラーメンも美味しい。
もしかして私、数週間分の運勢全部今日で使ってる…?
そう思いながら嬉しくなって、ちょっとだけ笑顔のまま顔を上げて君嶋さんを見る……
ドキ
顔を上げて君嶋さんを見たら、目が合ってしまった。
私はすぐに目をラーメンに戻した。
(②なんで目が合ったんだろう。)
顔が赤くなってるかもしれないから、ラーメンを急いで食べているふりをした。
①はじめてしっかり君嶋さんと話したけど、思った以上に面白いし、凄く趣味も合う。
└私は恋愛感情を『エロス+尊敬』と定義しているのですが、そもそもそれ以前に必要なのが“共感”です。
それは、同じ趣味があるとか、同じものが好きとか、価値観が似ているとか、相手の話している事に深く共感できるか、という事です。
似ている人を好きになる事も、真逆の人を好きになる事も、どちらも人はありえますが、この“共感”が少しもない場合は好意に行きつかないと考えています。
②なんで目が合ったんだろう。
└ふと相手を見た時に目が合った。
こういう経験をした事がある人は少なくないと思います。
何故目が合ったのか?
答えは簡単です。
相手があなたを見ていたからです。