明日、心が晴れますように

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心理や恋愛に関する事を書いていきます、お役に立てたら嬉しいです。

いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏-後編-

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前回前編を書かせて頂いたものの続きです。

 

megumi-sato.hatenablog.com

 

前編では、『付き合ってみたら会えない相手、連絡が無い相手、には理由があるのかも。』という事を根っこから掘り下げる為に“愛着”というものについて、書いていきました。

4種類の愛着スタイルと、その簡単な概要までを書いておりますので、そちらを思い出しながら、今日は『いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏』が何故起きるのか?について書いていきたいと思います。

 

 

 

①いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏の概要

└何故か多い、この組み合わせのカップルや夫婦

前回、愛着には
・安定型愛着
・不安定型愛着

と大きく2つに分けられるというお話しを書きました。

いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏、になってしまうカップルの組み合わせは不安定型愛着同士のカップです。

不安定型愛着には、
・不安型愛着スタイル
・回避型愛着スタイル
・恐れ・回避型愛着スタイル

の3種類が該当しますが、その中でも

不安型愛着スタイル×回避型愛着スタイル

この組み合わせのカップルがいつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏になってしまうのです。
これ以外の不安定型愛着同士の組み合わせでは、各々に別の大きな課題はあるものの、タイトルの様なカップルにはなりにくいです。

分かり易くするために、タイトルを“いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏”としましたが、もちろん男女逆転しても同様です。

 

②各々の愛着スタイルを知ろう

②-1:不安型愛着スタイル

└いつも一緒にいたい、常に連絡を取っていないと不安になってしまう人々

不安型愛着スタイルを持っている方は、主には乳幼児期、更にはその後の成長期で養育者(主に母親)から、両極端な応答や対応を受けるとなりやすくなります。

・養育者の都合で応答する事もあれば応答しない事もある(乳幼児期)
・養育者が子供を白黒思考で教育し、『良い子』の時は過剰に愛し、『悪い子』の時は拒否したり突き放すなどする(成長期)

上記が全てではありませんが、特に成長期にこの様な対応をしていると、子供は周りの人間の顔色を窺って生きる様になります。
自分が今良い子なのか?悪い子なのか?
もしかしたら今、自分は悪い子なのかもしれない。だから、相手は自分を拒否するかもしれない。嫌われるかもしれない。

こういう心理が背景に残ったまま、“不安をベースに”人間関係を構築するようになってしまうのです。
そして、他人の顔色を察知する能力が他の愛着スタイルの人と比較すると高い事も分かっています。

つまり、この愛着スタイルを持っている人が恋愛をすると…

・常に相手からどう思われているか気になって不安になる
・相手がいつ自分の元から去ってしまうのかと常に心配する
・相手をむやみに尊敬し過大評価する一方、自分を過小評価する
・相手とコンタクトが取れないと不安になる
・相手の事を常に考えてしまい他の事に集中出来ない
・相手の愛情を試す様な言動を取る
・どの様な予定よりも相手との予定を優先する

など、常に相手の優先順位が圧倒的に一位になってしまうのです。
これは、相手の優先順位を一位にする事が『良い子』のする事であり、優先順位を一位にしない事で『悪い子』だと相手に思われると拒否されてしまうのではないか、という不安から起こる事なのです。

そして、『自分にはこの相手以外いない、今後他の人には出会えない、もしこの相手とうまくいかなかったら一生一人かもしれない』と思ってしまうのもこの愛着スタイルの人の特徴なので、相手から離れる事も出来なくなってしまうのです。

そんな不安型愛着スタイルをお持ちの方は“アタッチメント・システム”という脳の働きが非常に繊細です。
アタッチメント・システムとは自分が安全な状態で、相手(パートナー)が自分を助けてくれる状態かどうかを察知するものです。
つまり、その恋愛関係が危機的状況なのか?という事を察知する脳の働きが繊細という事です。
だからこそ、先に書いたような特徴が出るのだと思います。

その為、“もう自分達の恋愛は終わりなのかもしれない”“相手は自分をもう好きではなくなったのかもしれない”と感じ取った後の認知が大変ネガティブなものになってしまうのです。

アタッチメント・システムがオンになってしまうと、不安型愛着スタイルの方はどうなってしまうのか?

まずは、大変落ち込み、『自分が良い子じゃなかったからだ。』と自分を責めてしまいます。
そして、相手の言動が希望通りではなく、アタッチメント・システムがオンになりっぱなしになってしまうと、今度は『自分が良い子じゃなかったからこうなるんだ。だったら悪い子になってやる!』と相手に攻撃的な言動を取ってしまうのです。
※良い子、悪い子、の表現は分かり易くするために書いているので、実際に不安型愛着スタイルをお持ちの方がそう考えているわけではありません。

-例--------------------------------------------
A子ちゃんは付き合い始めのB君と、とても仲が良く愛し合っており、毎日頻繁にLINEで連絡を取り合い、寝る前には電話で話しをする仲でした。
しかし、付き合い始めて1ヶ月が経過した頃、B君のLINEの返信が遅くなってきた事を心配し始めます。
A子ちゃんは『もしかして、私が何か気に障る事をしてしまったのかな?』と心配しますが、B君の返信の遅さは変わりません。

すると、アタッチメント・システムがオンになってしまったA子ちゃんはB君に『もしかして、怒ってる?』という質問をしてしまいます。
特に怒っているわけではなかったB君なのですが、仕事が忙しくてその質問への返信も時間が空いてしまいます。
すると、A子ちゃんのアタッチメント・システムは更に活発になってしまい、B君に『ごめんなさい。私が何か悪い事をしてしまったんだね。』とメッセージを送ってしまいます。

仕事を終えたB君はそのLINEを見て、怒っていると言われている事に全く身に覚えがなかったため、どう返信して良いか分からず、何が起きているのか理解出来ずに悩んでしまい、そこでもまた時間が経過してしまいます。

すると、A子ちゃんからB君に着信がありました。
B君が電話に出るとA子ちゃんは泣きながら『どうして私がこんなに不安な気持ちになってるのに、全く返信くれないの!?信じられない、こんな事が起こるならもう別れる!!!』と言って電話を一方的に切ってしまったのです。

つづく(続かない)
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この例の様な事が“頻繁に”起こってしまいます。
この例を「あるあるー!」「いや、もっと怒っちゃうと思う!」と思うか「分かるけど、ここまではちょっと…」と思うか、「こんな事しないでしょう」と思うかで、不安型愛着スタイル“レベル”の基準になるかと思います。

他にも分かり易い不安型愛着スタイルの特徴はたくさんありますが、本日のテーマは“いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏”のため、直接的に関係ない箇所は割愛致します。(また別のテーマで書くと思います。) 

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②-2:回避型愛着スタイル
└人との親密さを“拒否”し、自由を尊重したい人々

回避型愛着スタイルを持っている方は、主には乳幼児期、更にはその後の成長期で養育者(主に母親)から、極端な応答や対応を受けるとなりやすくなります。

・放置(ネグレクト)・過干渉・過保護

不安型愛着スタイル同様上記が全てではありませんが、この様に育てられると放置→人は誰も助けてくれない→自分は一人で生きていくしかない過干渉→支配下から逃れたい過保護→自分で意思決定出来ないなどの事から、自由を求めます。そして、回避型愛着スタイルの方は上記の様な経緯から自己肯定感が他の愛着スタイルの方と比較した時にも低く、傷つく前に傷つく可能性のあるものから“回避”しようとするのです。

その為、感情を押し殺して生きる傾向があり、表面上の喜怒哀楽が極端に分かりにくく、誰かに支配される事を嫌がり、それを避けようとします。また、自分で意思決定出来ない事が多かった経験や、誰にも助けてもらえなかった経験などから、共感する能力が大変低いのも特徴です。

そんな回避型愛着スタイルの方が恋愛をすると…

・関係が親密になりそうになると避ける・話し合いをしない・相手の非を攻撃したり、相手をからかったりする・責任を負おうとしない・自己開示しない・相手の些細な言動が気になり、それがきっかけで疎遠になる・秘密が多い・不倫にハマりやすい・セックスを嫌がる、手を繋がない、など物理的な距離を置く

など、基本的に“自分の意志、自分の自由”を守るための言動が多くなります。もちろん全て当てはまる人も、いくつかだけ当てはまる人もいらっしゃいますが、代表的な言動は上記です。

誰かに助けてもらう、という概念があまり無い回避型愛着スタイルの方は“自分の人生を良くするには自分が何とかするべきだ”という考え方が根底にあります。その為、相手が困っている時や助けて欲しい時に手を差し伸べるなどをしません。する必要が無いと思っているのです。

そして、回避型愛着スタイルの方は“理想の恋人象”というものを持っている事も多く、少しでも相手がその理想から外れてしまうと“違った”と思い、相手と距離を置き始めるきっかけになります。完璧な恋人を求め続けるというのもあり、恋人と短期間で別れやすいのも特徴です。

 

 

③いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏の仕組み

└不安型愛着スタイルの人と回避型愛着スタイルの人は求め合ってしまう

文章を書いていて、なんて不毛な運命なんだ…と思ってしまうほどため息の出る仕組みだと感じています(主観です)

各愛着スタイルの特徴は②で書かせて頂いた通りです。
それを踏まえて不安型愛着スタイル×回避型愛着スタイルのカップルを読み解くと、下記の様な各々の“惹かれ合う理由”に行きつきます。

不安型愛着スタイルの人は回避型愛着スタイルの人と恋愛関係になると、回避型愛着スタイルの特徴である、“親密になろうとすると避ける”という言動にアタッチメント・システムがオンになってしまいます。
そうすると、落ち込んでしまい、自分が何も悪い事をしていなくても自分を責める傾向にあります。
そうやって落ち込んでいる時に、相手から連絡が来たり、相手と会えたりすると、一気に落ち込んでいた心が跳ね上がり、ハッピーな気持ちに変わります。

この、ジェットコースターの様な感情のふり幅の刺激を、不安型愛着スタイルの人は“愛情の強さ”だと勘違いしてしまうのです。
そして、例えば安定型愛着スタイルの人と出会い恋愛関係になったとしても、この様なジェットコースター関係にはなりにくいため、安定型愛着スタイルの人への感情を“この相手の事はそんなに好きではない”と思ってしまうのです。

一方、回避型愛着スタイルの人は自己肯定感が低く、自信を取り戻すために他人と自分を比較する事が多いと言われています。
そして自分が優位に立つことで自尊心を保つため、不安型愛着スタイルの人のアタッチメント・システムがオンになって落ち込み始めると、自分の支配下に相手がいると錯覚し、自尊心が満たされる様になるのです。

こうした仕組みから、不安型愛着スタイルの人と回避型愛着スタイルの人は恋愛関係になりやすく、『いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏』が完成してしまうのです。

ですが、不安型愛着スタイルの人のアタッチメント・システムがオンになり過ぎると、先に書いた様に攻撃的になってしまうため、そうなると一気に回避型愛着スタイルの人はその関係から逃げようとします。
回避型愛着スタイルの人は特に感情的なやり取りを嫌うため、一気に別れに繋がってしまうのです。

もう一つ、このカップルが出来やすい理由に、
恋愛市場に安定型愛着スタイルの人が少ない』という理由があります。
安定型愛着スタイルの人は一度恋愛関係になると長期間交際を続けるので、滅多に恋愛市場に出てきません。(大袈裟ですが)
一方で、不安型愛着スタイルの人は恋愛相手がいない状態を好まないので、すぐに新しい恋愛を求めて恋愛市場に戻る事が多く、回避型愛着スタイルの人も一度の恋愛が短いが故に恋愛市場にいる事が多いため、このカップルが完成しやすいのです。

 

④まとめ

 さて、2回に渡って『いつも一緒にいたい彼女とたまにしか会いたくない彼氏』について書いてきましたが、少しでもこの内容が今後の恋愛の参考になれたら嬉しいです。

不安型愛着スタイル×回避型愛着スタイルのカップルは、ではどうすれば良い関係を築けるのか?
については、基本的な解決方法はあるものの、バックグラウンドや各々の価値観や志向なども全て考慮した上で案内する内容が異なってくるため、ケースバイケースで書くのは非常に難しく、個別でご相談に乗っています。

2人の関係性の改善もそうですし、不安型愛着スタイルの人も回避型愛着スタイルの人も、ご自身の愛着スタイルを安定型愛着スタイルに変えていくためのステップについてご案内する事も可能です。(今後これ専用のサービスを出品するか検討してます。)

ご自身やお相手様の愛着スタイルを簡易的に診断する事も可能です。
もちろんご本人が直接医師に診断してもらうのとは違いますので断言はできませんし、精度も高くはないと思って頂かないといけませんが、私の恋愛相談では必要時にこの診断を行いながら相談に乗っております。

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