出逢い:1
「麻衣!!!今日クラブ行くけど、一緒に行く?」
放課後の廊下を走り抜ける私を、正子が呼び止める。
「ごめん、今日バイトの面接!!」
「バイトすんの??」
「そうー!!!」
18歳、高校生の3学期
進路も決まって後は卒業するだけの私達にとって、学校は友達と放課後遊びに行くまでの待ち合わせ場所みたいなものだった。
毎日毎日、渋谷行って日サロ行ってカラオケ行ってクラブ行って。
遊びまくる毎日を楽しいと思っていたし、
友達はみんなふざけてるけど真剣に語り合う事も出来る最高のメンバーだったし、
この後大学行ってもそんなに真面目に勉強するとは思えないから、卒業したってこんな時間が続くと思ってる。
「あれ?麻衣、クラブ行かないの?」
靴を履き替えてたら由美にも呼び止められる。
「うん、今日バイトの面接!」
「ヤバ、働こうとしてるよこの子。面白そうだから終わったらケータイ鳴らして。教えてよどんなだったか。」
「OK♪」
その店は、学校から家に帰る途中にあった。
右に曲がれば家に帰れる坂道を、左に曲がる。
少し歩くと左側に花屋さんがあって、花屋さんの隣には古い洋書がたくさん並ぶ古書店があって、その先を右に曲がったところにある。
restaurant clan
(結構歩いたな…通う事になったら自転車にしよう。)
このレストランの前を通った事はあったけど、中に入ろうとしたのは初めてだったのでまじまじと見てしまったが、結構広い。
私は自分の身だしなみと手に持った履歴書を一度確認し、レストランのドアを開けた。
「すみませ~ん…あの、本日16:00からバイトの面接で…」
「ああ!バイトの面接の子ね、入って入って!」
中から元気の良いお姉さんが出てきてくれて、案内してくれた。
案内されるがまま、広々としたレストランの中を進んでいき、入り口から丁度対になった場所にある扉を抜けて裏に入った。
と、そこで従業員であろう男性が棚の整理をしている。
彼は一瞬こちらを向いて、①すぐに目をそらしてしまった。
(なんか…変な髪型の人だな…。)
そして私はオーナーの部屋に通してもらい、バイトの面接をしてもらったのだ。
①すぐに目をそらしてしまった
└人と目が合った時に相手が目をそらしてしまうと、ちょっと悲しい気持ちになってしまう事はありますよね。
ですが、もし思い出せるなら、相手がどの様に目をそらしたかを考えてみましょう。
あまりこういう場面で「目を上にそらす」という事は考えにくいので、下にそらす場合と横にそらす場合で考えてみましょう。(上にそらした場合は、目が痛いのかも?)
目を横にそらす
└この場合は、相手に嫌悪感を抱いている時のそらし方です。興味が無く、あまり関わりたくないという感情がある時に横に目をそらします。
目を下にそらす
└この場合は、謙遜していたり照れていたり、申し訳ない気持ちがある時などです。恥ずかしいという気持ちの時も目を下にそらします。