出逢い:3
バイトを始めて1ヶ月が経った。
少しずつ仕事内容にも慣れ、周りのバイト仲間とも仲良くなり、私は通うのが楽しくなっていた。
一番仲良くなったのは、最初に声をかけてくれた米倉さん。
米倉さんは見た目は若いけど、なんと私よりも10歳も年上だという。
でも年齢差を感じさせない①元気さとかわいらしさで、他のバイト仲間からも男女問わず人気がある。
それと、厨房の大森さんとは趣味のゲーム話しで盛り上がった事がきっかけで、頻繁にバイト終わりに居残って話すようになった。
「ギャルもゲームやるんだな。」
「ギャルじゃないですよ!高校生全部ギャルだと思わないでください。」
「そこそこ黒いじゃん。それはギャルって言うんだよ。」
「じゃーもう、ギャルでいいです。」
大森さんは大学生で年齢も近いという事と、私と同じ歳の妹がいるらしく話しがしやすい。
「なになに、面白いゲームの話し?」
「林さん、お疲れ様です。」
林さんは私に仕事を直接教えてくれているトレーナー。
凄く真面目だけど面白い事を真顔で言う人で、頭が良くて冷静だからみんなから頼られている。
影でのあだ名は“父”
最近はこの3人に米倉さんを混ぜた4人でバイト終わりに遊びに行く事も多くなっていて、私は学校の友達と遊ぶ事よりも優先するようになっていた。
バタン
②少し大きめに扉が閉まる音がして、人が勝手口から入ってくる音がした。
足音と一緒に話し声が聞こえる。
「成がそれ飲みたいって言ったんじゃん。」
ドキ
“成”は、君嶋さんの名前。
自分の心臓が少し跳ね上がって、控室のドアが開く音から目をそらした。
「あれ、結構まだ残ってたんだね。まだいるの?」
「もうちょっと話してから夜食行こうかって話してたところです。木田さんもう帰りますか?」
「どうしよ。成もう帰れる?」
「あ、うん。」
「じゃ、うちら帰るから戸締りしっかりねー!」
そう告げて、木田さんと君嶋さんは一緒に帰って行った。
└いつの時代でも、笑顔で元気に明るい人はかわいく見えますし、誰からも好かれやすくなります。
特に忙しくて疲れたバイトの後、そんな時でも元気で明るい子は異性からもモテるでしょう。
ただし、元気過ぎて周りを疲れさせない様に心掛けましょう。
②少し大きめに扉が閉まる音がして、人が勝手口から入ってくる音がした。足音と一緒に話し声が聞こえる。
└物音が大きい時は心理的な理由がある場合もあります。
音を立てた人が自己中心的な性格という見方もありますし、ストレスが溜まっているだけという事もあります。
しかし、そこに人がいる、と知っていて大きな音を立てる人の中には“目立ちたい、存在に気付いて欲しい”というアピールが含まれる事もあるんです。
果たして木田さんはどれに当てはまるのでしょうか?