明日、心が晴れますように

明日、心が晴れますように

心理や恋愛に関する事を書いていきます、お役に立てたら嬉しいです。

出逢い:7

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結局帰りの車も行きと同じ編成になったため、私は米倉さんと一緒に君嶋さんの車にのったし、やっぱり木田さんは当たり前のように助手席に座った。

だけど、ラーメン屋の中で話しが盛り上がった私たちは行きとは違い、帰りの車の中でも色々な話しで盛り上がった。
バイト先の人とこうやって仲良くなる瞬間は凄く嬉しいものだ。

 

「2人とも、家まで送るけど、どこ?」
君嶋さんが米倉さんと私に聞いてくれた。

君嶋さんに送ってもらえるなんてちょっと緊張する。

「わたし、西町の3丁目です。あのスーパー銭湯がある場所の近く。」
米倉さんが答える。

「あー!あそこたまに行く!」
木田さんがスーパー銭湯と聞いて反応する。

「渡瀬ちゃんは?」
君嶋さんが私にも聞いてくれる。

「あ、私は割とclanの近くで…、東町の5丁目です。」

「そうか、そうすると…、米倉さんの家から送るのが早いかな。ちょうどここから一番近くて、全員の家の真ん中って感じ♪」
君嶋さんが帰りのプランを考え始めた。

「私の家が一番近いんですか?木田さんの家は?」
米倉さんが質問する。

「うち?うちは成の家の近所だよ。だから東町だけど1丁目!」

私の住んでいる区はそんなに広くもないのに1つの町がやけに広いから、住んでいる東町は7丁目まであるけど1丁目から7丁目までは歩いては行く気にならない程遠かった。

「ありがとうございました。また明日よろしくお願いします。お疲れ様でした!」
元気にニコニコしながら米倉さんが車を降りた。
最後ちょっと小さめに私に手を振ってくれたのがかわいい。

って、よく考えたらこの後君嶋さんと木田さんと私、3人なのか…。
ちょっと思い出しちゃった。
結局2人が付き合っているのかは今日だけでは全く判断つかない。

(とりあえず…とっとと降ろしてもらいたい…。)

米倉さんが温めて行ってくれたおかげで、その後も3人は楽しく会話し続ける事が出来た。
やっぱり君嶋さんとも木田さんとも趣味の話しが合う。

ふと外を見ると、
(あれ…?こっちうちの方じゃないな…。)

え、もしかして道に迷ってる?
それとも、ずっと3人で会話してたはずだけど、2人で会話してると君嶋さんが勘違いしているとか!?

そう思っていると、車は静かにある家の前で停まった。

「………ありがとう。じゃ、明日もよろしくね。」
さっきまでより少し明るさを感じないトーンで木田さんがそう言って車から降りた。

「あ、お疲れ様です…。」
と私が答えると、①木田さんはあまり笑わずに私を見つめていた。
なんでか分からなかったので私はキョトンとした顔をしていたに違いない。

「あの、ここ木田さんの…?あれ?君嶋さんと近所だって…。」
家の中に入っていく木田さんを眺めつつ、ちょっと困惑しながら君嶋さんに話しかけると、それを無視するかのように

「前おいでよ。」

と、君嶋さんは私に言った。

(え?前?前って、なんで?助手席ってこと?)

「はい、ほらはーやーくー。」

君嶋さんが急かすもんだから、他の事を考える余裕もなく後部座席のドアを開け、さっきまで木田さんが座っていた助手席に乗り込んだ。

「よし、じゃー家まで案内して!」

そう言って君嶋さんは車を動かした。

「君嶋さん、家が木田さんの家と近いんじゃないんですか?私を先に降ろした方が早かったんじゃ…。」

「いいのいいの。俺が渡瀬ちゃんと喋ってみたかったの。」

え?なんて?
今、私と喋ってみたかったって言った?

 

そこから、たった10分程度の事だったけど、私は君嶋さんの車の助手席に乗れた事で舞い上がっていた。
だからあまり話した内容を覚えていないけど、結局ラーメン屋で話したマンガの最新巻についてちょっとだけ熱く語り合っただけだった気がする。

「あの、そこの角を曲がって最初の電信柱の前が家です。」

車が私の家の隣にある公園の前に停まった。

「本当に、車出してくれて今日はありがとうございました。」
そう私がお礼を言うと

「久しぶりにみんなとごはん行ったけど、楽しいね。俺もたまには参加しようかな。」
と君嶋さんが楽しそうに答えた。

「はい、来てください!みんな喜ぶと思います。本当に今日はありがとうございました。おやすみなさい。」
そう言って、私は車を降りた。

バタン!

あ、ちょっと車の扉強く閉め過ぎたかな?

「ちょっと!(笑)強いよ強い!(笑)」
君嶋さんが窓を開けて私に指摘する。

「ごめんなさい!(笑)」

そう言って私は門を開けて玄関前に立った。
その前を君嶋さんの車が私に手を振りながら通り過ぎていく。

家の中に入ると私はゆっくりと風呂場に行き、深夜で少しぬるくなった湯舟を追い炊きしながら湯につかった。

(どうして木田さんを先に送ったんだろう…。)


解説

①木田さんはあまり笑わずに私を見つめていた。
└さっきまで明るかった人から笑わずに見つめられたら、何か意味があるのではないかと気になってしまいますよね?
笑わずにまっすぐ相手を見る人の心理は下記の3つが考えられます。

相手のことが好きで見つめてしまう
└好きなものや好きな人を視界に入れておきたい、という心理からまっすぐ見つめる事があります。
これは主に男性が好きな人に対して行う事が多いしぐさです。

相手にケンカを売ろうとする
└この場合は大変深刻な意味を持っており、なにか大きな打撃を受けたり、強烈な敵対心を抱いている時などは相手をまっすぐ見つめる事があります。

自分の嘘がバレないように隠す
└これは女性に多いのですが、男性は嘘を隠す時に目を合わせないか目が泳ぐことが多い、という事を本能的に知っている女性が、それを隠すために相手をまっすぐみつめながら嘘を隠すという事があります。

※どれも必ずではないですが、参考にしてみてください。