痛み:10
clanでバイトを始めて1年。
オーナーにもたくさんの事を教えてもらい、かわいがってもらって、米倉さんや大森さん、林さん達の様な一生モノの友達も出来た。
山田さんにも気にかけてもらっていて、たまに新しい情報をもらったり、木田さんだってなんだかんだ言って仕事の時には助けてくれていた。
そんなclanを私は辞める事にした。
皆の事が大好きだったから、辞めたくなくてかなり悩んだ。
辞めても何も変わらないという事も、分かっていた。
だけど、これ以上成ちゃんの近くにいるのが辛かった。
成ちゃんがもう一つのバイトを辞めて2ヶ月経った時、私は成ちゃんが以前以上に私を特別扱いしてくれる事に調子に乗って、再び成ちゃんに告白し、あっけなく振られた。
①成ちゃんが私をどうしたくて特別扱いしているのか、本当に分からない。
だから、なるべく近くにいたくないと思ってしまった。
ほんの少し雲の隙間から見えた満月は、振り返るともう雲に隠れて再び消えていた。
弱いと言われればそれまでだし、意味が無いと言われればそれまでだ。
私は、成ちゃんを諦められるなら諦めたいと思ったから、clanを辞める事に決めたんだ。
私は、月が見えない場所まで逃げたい、と思った。
①成ちゃんが私をどうしたくて特別扱いしているのか、本当に分からない。
└自分を振った相手がいつまでも自分を特別扱いしていたら、そりゃあ勘違いしますよね。
恋愛感情を持っていないと言うのに特別扱いしてくる相手がいたらそれは
・恋愛関係の域を超えて人として尊敬している
・人間性を好きだと思っている
・いいな、と思っているけど付き合うまでではない
・家族の様に思っている
などが考えられます。
ごく稀に
・自分にはもったいないと思う程相手に憧れてしまっている
というのもありますが、かなり希少でしょう。
人として好かれるのは嬉しいですが、自分が相手を恋愛対象として見ている場合は辛いですよね。