明日、心が晴れますように

明日、心が晴れますように

心理や恋愛に関する事を書いていきます、お役に立てたら嬉しいです。

不協和音:1

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clanを辞めた私は、新しいバイトを見つけて楽しく働き始めていた。
clanとは違うけれど、一緒に働いている人たちとも早速仲良くなって休みの日に遊ぶような仲になった。

駅前の人通りが多い道を一本入ったところにある、オシャレで穴場のカフェ。
穴場だから、1人で仕事をしている人や、常連のカップル、読書をしているダンディなおじさん、みんなセカセカしてなくて、時間がゆっくり流れている様に感じる。

1度正子と由美も遊びに来てくれて、私のお勧めパフェを食べて絶賛して帰った。

clanの米倉さんや大森さん、林さんとはありがたい事に以前とほぼ変わらぬ関係で、夜中に遊びの誘いメールが届く。
学校の課題が増えてきた頃だったから、バイトのカフェとclanの営業時間の差は丁度良く、clanが閉店するまでの間私は課題を進める様にしていた。

成ちゃんとは1回も連絡を取っていない。

私がclanを辞めて3ヶ月。
米倉さん達に会っても、みんな気を使っているのか誰も成ちゃんの話しをしようとしなかった。林さんは成ちゃんから聞いていたみたいだし、大森さんには流石にバレた。

だけど、たまに、本当にたまにclanの前を通った時に、clanのかわいらしい真っ白い壁にいくつも覘くブルーの縁の窓越しに成ちゃんが働いてるのが見えた。

私はまだまだ成ちゃんを忘れられないままいた。

だけど、せっかく忘れるためにclanを辞めたんだから、早く次の恋をしなくちゃ、と思っていて、積極的に遊びに行ったり、イベントに参加したりを続けていた。
最近はイベントで出会った貴くんと良く遊んでいる。
貴くんはそのイベントでDJをしていて、①音楽にもかなり詳しいから私と凄く気が合った。
良くお勧めの曲を教えてもらっては、それを聴いて感想を言い合ったり、一緒に似た曲が無いか探したり、とても一緒にいて楽しい。

そんな貴くんとの楽しい時間を終えて家路についた時、わざわざclanの前を通って、うっかり窓越しに成ちゃんを見てしまうと、成ちゃんの周りだけが光って見えて、これまで私が貴くんと楽しく過ごしていた時間なんてまやかしだ、と言わんばかりに私の胸を突き刺した。

「clanの前、通らなきゃいいじゃん。」
と、由美にごもっともなツッコミをされたけど、どうしても、どうしても成ちゃんを見たくてclanの前に行ってしまう…。

「辞めた意味、あるのかな?」
正子にも言われる。
本当だ。私は何のために辞めたんだ。
これじゃー、ただ大好きなclanを辞めただけになってしまう。

②もう、clanの前を通らない様にしよう。

 


解説

 

①音楽にもかなり詳しいから私と凄く気が合った。
└第一章にも書きましたが、私は恋愛感情を『エロス+尊敬』と定義しているのですが、そもそもそれ以前に必要なのが“共感”です。

これは、恋愛以前の関係性=友達になるために必要な最低限の条件とも言えます。

この“共感”は2人にとって限定的で狭い分野になればなるほど親密度が増していきます。
その為、『2人だけの秘密』は効果が高いのです。
特別感を感じる上に、これがあると会話もしやすいです。
これを、クロージング効果、と言います。

もう、clanの前を通らない様にしよう。
└文章の前をお読み頂くとお分かりいただけるように、数秒前に『どうしてもclanの前に行ってしまう。』と言っていた麻衣が、最終的にclanの前を通らない様にしよう、と決意しています。

このぐらい、人の気持ちは変わりやすいです。
変わりやすいというよりも、フラフラします。

1度決めた事を割とすぐに覆す、というのも良くある話しです。
仕事では自分を貫き通している人が、恋愛になると一気にフラフラになる、なんていうのはザラです。

恋愛相談カウンセラーとしては、決めた事を貫き通せる人の方が恋愛を叶えやすい、とお伝えしておきます。